カウンセリング料金のお話

日本ではカウンセリングに医療保険が適用されていません。保険適用がないために、相談者の方々はすべて実費での支払いとなります。しかし、公認心理師という国家資格ができたので、今後どうなっていくのか動向が注目されます。

各種の心理的支援を提供するカウンセリングルームが全国にあって、公認心理師や臨床心理士が個人で開業していたり、会社組織で運営していたりするのですが、それぞれ異なる料金システムを定めています。1回のカウンセリング・セッションにつき2000円～3000円としているところもあれば、2万円を超えるところもあるようです。初回のカウンセリングだけ無料というところもあるかもしれません。また、開設されているのが首都圏か、地方都市かという、場所による料金の相場の違いも当然あるような気がしますし、ひとつのカウンセリングルームの中でいくつかのコースを設定して、それぞれ異なる料金にしているところもあります。

一番大切なのは、カウンセリング・サービスの提供を受けるご相談者お一人お一人がお感じになる、設定料金に対する感覚でしょう。皆様は、およそ1回1時間のカウンセリング・セッションがどのくらいの料金であれば、安い・普通・高いと感じますか? おそらく、カウンセリングの内容を判断材料に入れて考えてみて高いと感じる料金設定であれば、そのカウンセリングルームの利用を見送ろうとお考えになるはずです。それから、カウンセリングの内容が同じようであれば、できるだけ金額の安いところを探そうとする方が大半であろうと思います。ところが、カウンセリング料金を低めに設定しているところは人気があって予約が集中する傾向があるので、いつ連絡を取っても新規の相談者の受け入れをストップしていたり、数か月の予約待ちであったりで、なかなか利用困難であることが少なくないようです。ちなみに、札幌市内にあるカウンセリングルームは、いま現在(2019年4月現在)1万円以内に料金を設定しているところがほとんどのようです。

カウンセリングは1回で終わることもあれば、長期にわたって継続することもあります。カウンセリングの回数と期間は、その目的によって、相談者の抱えている問題によって、大きく異なります。1回のカウンセリング料金が低めに設定されていたとしても、それが長期にわたって継続するのであれば、料金の累計は大きくなっていくことになります。少しわき道にそれますが、カウンセリングに必要な回数について一般的なレベルで考えてみようと思います。

根拠となる出典は、こちらのトップページにあるカウンセリング・トピックスをご覧ください。それによると、50%の相談者が好転するのに必要なカウンセリングの回数は10回から20回とされています。さらに75%の相談者が肯定的に変化するには、60回程度のカウンセリングが必要であるというデータがあります。かりに1回のカウンセリング料金を7000円としましょう。このデータに当てはめると、全体の相談者のうちの50%の方々が好転するためには、7万円～14万円の費用が必要になる計算になります。さらに25%の相談者が好転するには、全体で42万円の費用が必要になるということです。これを毎週1回の頻度でカウンセリングを受けることにして、料金を月割りにしてみましょう。すると、カウンセリングを受ける50%の相談者の皆様は、毎月28000円の出費をおよそ2か月から5か月のあいだ続けることになります。さらに25%以上の方々は、毎月28000円の出費をおよそ1年のあいだ続けることになります。

いかがでしょうか。料金のことを考えると、カウンセリングは決して手軽に受けられるものではないという印象を持つ方々が少なくないのかもしれません。上に示した数字はあくまでカウンセリングの効果研究から導き出されたもので、相談者お一人お一人の個別的なレベルになりますと、何回のセッションでご満足いただける結果が得られるのか、あらかじめ最初の段階で予測することは難しいでしょう。つまり、ある人は10回以内のカウンセリングが、ある人は60回以上のカウンセリングが必要と一般的なことが言えるだけであって、来談されたその方が回数に関して具体的にどちらに入るかはあくまで未知なのです。

毎週一回行うのか、隔週一回行うのか、カウンセリングの頻度については、あなたが選ぶカウンセリングルームの担当者と話し合うことで具体的に定められると思います。その頻度によって、必要なカウンセリング料金の全体がおぼろげに見えてくることになるでしょう。トポス心理療法オフィスでは、相談者の御事情に合わせてカウンセリングの頻度を設定いたします。どうぞお気軽にご相談ください。