2019.4.1.策定
トポス心理療法オフィスは、個人情報保護に関連する法令と倫理を遵守し、カウンセリングをご提供する相談者の皆様のプライバシーを最大限に保護いたします。
個人情報の記録
当オフィスでは、カウンセリングをご提供する相談者の皆様の個人情報を記録いたします。具体的には、ご予約の際のお名前と電話番号、初回面接時にご記入いただく相談票の内容(氏名、住所、職業、電話番号を含む)、毎回のカウンセリングの中で話された内容の簡単な要約です。相談票は直筆の紙媒体として記録されますが、その他はすべてパソコンのワープロソフトで作成のうえ電子データとして記録されます。
個人情報の保管と処分
当オフィスは、個人情報の漏えい防止に努めます。紙媒体の記録は、鍵のかかるロッカーに厳重に保管します。電子データの記録は、適切なセキュリティーを施した上でインターネットに接続しないハードディスクに保管します。すべての記録はカウンセリングが終了してから5年間保管し、5年が経過した時点で速やかに適切な方法で処分します。
個人情報の利用と提供
当オフィスでは、カウンセリングによって得られた相談者の個人情報を必要に応じて利用したり、連携機関に提供したりする場合があります。まず、①カウンセリングが終了して一定期間が経過してから、フォローアップを目的として電話や手紙で近況をお尋ねする場合があります。また、②カウンセラーの資質向上を目的として、個人が特定されないように内容を修正した上で、臨床指導の場、秘密保持義務のある心理臨床家が集う学会の場等で、カウンセリングの流れについて発表する場合があります。最後に、③相談者が心療内科等の医療機関に通院加療中の場合には、主治医の指示を受けてカウンセリングを行わなければなりません。その際には、定期的に情報を主治医に提供するなどして、適切な連携のもとにカウンセリングが行われることになります。その他、④お子様の場合には、学校や児童相談所等と連携しながらカウンセリングが行われることがあります。
個人情報の開示
当オフィスは、原則的に、事前の同意なしに相談者の個人情報を第三者(家族を含む)に開示または提供することはありません。ただし、法的な強制力によって合法的な開示請求があった場合には(ご本人にその旨連絡しますが)、カウンセリングにかかわる相談者の情報を開示しなければなりません。また、自傷他害の恐れがあって、生命の危険が迫っていると判断された場合には、ご本人の承諾なしに適切と思われる人物や連携機関に情報を開示して注意喚起する場合があります。
クッキーの取り扱いについて
これはカウンセリングにかかわるポリシーではありませんが、このウェブサイトでは、ページの閲覧者が使用しているブラウザのクッキーを利用してアクセス解析を行うことがあります。目的は、ウェブサイトを改善するための参考資料にするためです。具体的には各ページへの訪問者数をカウントするだけで、クッキーによって閲覧者の個人情報を取得することはありません(クッキーによって閲覧者個人を特定することはできません)。
プライバシー・ポリシーの改正
当オフィスは、時代に即したプライバシー・ポリシーの策定に心がけます。ポリシーが改訂された場合には、このウェブサイト上に速やかに掲載します。なお、企業その他とのご契約によって従業員等にカウンセリング・サービスが提供される、いわゆるEAP=従業員援助プログラムの場合には、別途のポリシーが定められています。
お問い合わせ窓口
プライバシー・ポリシーに関するお問い合わせは、下記までお願いします。
トポス心理療法オフィス
〒060-0807
北海道札幌市北区北7条西5丁目6-1 ストークマンション札幌6階
TEL:011-746-8202
プライバシーと個人情報の保護、秘密の保持について
カウンセリング・サービスを利用する相談者の皆様にとってご心配の種があるとすれば、おそらくそれは自分が口にしたことが情報としてどのように使用されるのか、秘密は守られるのか、プライバシーが侵害されるようなことはないのかといった、個人情報の取り扱いに関することではないでしょうか。もちろん、法的な意味でも、倫理的な意味でも、話された内容が公開されないことによって秘密が保持され、相談者のプライバシーと個人情報は厚く保護されます。ここでは相談者の立場になって、秘密の保持、プライバシーと個人情報の保護について一般的なことを考えてみたいと思います。以下は目次です。
* 秘密・プライバシー・個人情報
* 公認心理師の秘密保持義務
* もしも個人情報を不適切に扱われ、プライバシーが侵害された場合には
* プライバシーが保護されることを確認するために
* おわりに
自分自身がカウンセラーではなく、一人の相談者であったとしたならどんなことが気になるのだろうと、あれこれ考えてみました。少し長い記事になっています。前半は硬い内容で後半は少し砕けた内容になっていますが、最後まで読むには10分程度必要かもしれません。では、どうぞご覧下さい。
秘密・プライバシー・個人情報
少し言葉を整理してみましょう。まず、外部に公開しない情報のことを秘密といいます。秘密にする、秘密を漏らす、秘密厳守といったかたちで用いられる言葉です。次に、その人の私生活上(プライベート)の事柄、つまり私事のことをプライバシーといいます。プライバシーの侵害、プライバシーを尊重する、などの用法があります。そして、特定の個人を識別し得る情報のこと、それから他の情報と結びつけることで容易に個人を特定できる情報のことを個人情報といいます。その人が誰なのか、何者なのか分かる情報で、名前や顔写真や映像データや文字による何かの記録などが相当するように思います。
紆余曲折がありましたが、日本では個人情報保護法が制定されています。このなかで、私たちの個人情報は保護の対象として規定されています。個人情報が適正に取り扱われることによって、私たち個人のプライバシー権は保障されるのです。この意味でいえば、プライバシーは、個人情報よりも幅広い内容を含むものと考えることができます。また、個人情報を外部に公表しないかたちの取り扱いを秘密保持と呼ぶことが可能で、プライバシーの侵害から私たちを保護してくれます。
公認心理師の秘密保持義務
公認心理師法にはいくつか義務が規定されていて、その中のひとつに「秘密保持義務」があります。違反者には罰則も規定されています。抜粋しましょう。
第四十一条 公認心理師は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。公認心理師でなくなった後においても、同様とする。
第四十六条 第四十一条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一般的には、これまで「守秘義務」と呼ばれてきたのですが、この法律では「秘密保持義務」と言い表されています。この義務規定に違反したカウンセラーには、懲役刑と罰金刑が科せられます。さらに、資格登録の抹消という行政罰が与えられる場合もあります。とても厳しいものですが、相談者のプライバシーを保護することが最優先されるので、当然のことであると思います。また、カウンセリングを生業にしているときはもちろんのこと、引退した後も、秘密保持義務によってカウンセラーは縛りを受けます。もちろん、これはどのような職業であれ言えることであると思います。それから、第四十一条の中に、「正当な理由がなく」という文言があります。これは、一例として相談者の生命にかかわることや、法的な強制力による情報開示命令があった場合など、例外的なケースを想定したものです。
このように公認心理師のカウンセリングの場合、相談者は公認心理師法と個人情報保護法という少なくとも二つの法律によって守られることになります。すでに述べたようにカウンセラーには秘密保持義務がありますから、相談者の個人情報は適切に取り扱われねばならず、そのプライバシーは保護されるのです。どうぞ、安心してカウンセリングを受けてください。次に、相談者を保護するこうした法的規定にもかかわらず、万が一にも、カウンセラーによって相談者のプライバシーが侵害されるような事態が発生した場合、一体どうすればよいのか考えてみましょう。
もしも個人情報を不適切に扱われ、プライバシーが侵害された場合にはどうすればよいのか
これは決してあってはならないことです。もしもあなたの個人情報をカウンセラーが不適切に扱い、結果としてプライバシーの侵害が発生したとき、一人の相談者としてあなたならどのように対処しますか?
たとえば、こんなケースを考えてみましょう。気分が落ち込んでいたあなたはあるカウンセリングルームを利用して元気になり、カウンセリングを終結することになりました。お別れのときにカウンセラーからそれまでの感想を求められ、感謝の言葉などを口にしたとします。それから1カ月が経過して、そのカウンセリングルームのウェブサイトを見ていると、「相談者の言葉」コーナーに、自分のものと思われる言葉が掲載されており、大変驚きます。しかし、それを掲載してもよいとカウンセラーには許可していません。あなたは、無断で自分の言葉が掲載されたことに落胆します。
このケースだと、まずカウンセラーに連絡を取って、掲載されている言葉を削除してほしいと依頼するのがよいでしょう。もしもそれがあなたの言葉だとすれば、削除してくれるはずです。というよりも、カウンセラーは削除しなければなりません(それ以前に無断で掲載してはいけないのですが・・・・)。依頼しても削除してくれない場合には、そこが会社組織によって運営されているのであれば、会社の「苦情相談窓口」に申し出るとよいでしょう。それでも削除されない場合には、全国の「消費生活センター」や市区町村の「消費生活相談窓口」に相談するか、電話であれば「消費者ホットライン」で相談することもできると思います。また、プライバシーの侵害が度を越していて、あなたが甚大な精神的苦痛を受けたとしたなら、そのときには民法上の不法行為として弁護士に相談することもできるでしょう。そのようなカウンセラーが存在しないことを祈るばかりです。それから、そのカウンセラーが臨床心理士であれば日本臨床心理士会に、公認心理師であれば日本公認心理師協会(こちらは任意加入)に相談することも可能です。
プライバシーが保護されることを確認して安心するために話し合いましょう
多くのカウンセリングルームでは、おそらく初回面接の場で個人情報の扱いやプライバシーの保護についてインフォームド・コンセントが行われ、カウンセラーからさまざまな説明があるはずです。相談者の方はその説明を聞いて、疑問があれば質問し、十分に納得した上で同意するにいたることが大切です。個人情報がどのようなかたちで扱われるのか、それにはどのような目的があるのか、カウンセリングの契約を結ぶ前に必ず確認しましょう。また、いろいろな疑問は、相談をスタートしてからも出てくるはずです。カウンセラーとはそのつど、この点についてはどうしようか、あれについてはこうしようかと、気軽に話し合って決めることができるのが理想です。面接を継続していると、連携する機関の誰かに個人情報を開示する必要が出てくることがあります。相談者とカウンセラーのカウンセリング関係の外部に情報を開示することになったときには、相談者のプライバシーが最大限に保障されるような方法を具体的に、なおかつ相談者が納得のできるかたちで話し合いたいものです。
このようなケースを想定して考えてみます。あなたはいま会社を休職しています。精神科クリニックに通院してうつ病のために服薬をしながら、カウンセリングも並行して受けているとしましょう。精神科の主治医に対してはうつ病にかかわる質問に対して答えるだけで、あまりプライベートな出来事は話していません。一方でカウンセラーに対しては、家族のこと、会社のこと、自分の生い立ちのことなど、誰にも口にしていないことを話しています。
さて、半年に及ぶ精神科的治療とカウンセラーの心理的支援を受けてうつ病が回復し、そろそろ復職しようかという考えがあなたの心に芽生えてきました。主治医である精神科医よりも先に、あなたはその気持ちをカウンセラーに伝えます。カウンセラーは復職への希望にじっくりと耳を傾けます。療養から次のステップへ移行したことを確信したカウンセラーは、精神科医と連携していますから、ここであなたに関する情報を主治医に伝える必要があります。その情報は主治医だけでなく、会社の復職の窓口となる担当者や産業医にも開示されるはずです。
ここで問題です。あなたはカウンセリングの中で口にしたことのすべてを、カウンセラー以外の人たちに知られたくはないはずです。この時点で、あなたならどのような情報を、どの程度開示することを望みますか?さしあたり必要なのは、職場に復帰する準備を開始するにあたって必要な、あなたの精神状態の肯定的変化に関する情報でしょう。カウンセラーと十分に話し合ってください。この情報は○、この情報は×、あまり気が進まないがこの情報を開示するのは致し方ないなど、必要な情報は開示しつつも個人のプライバシーが最大限に保護されるような開示情報を、カウンセラーと一緒に話し合いましょう。
おわりに
カウンセリングの中で話されたこと、つまり心理相談の内容はもちろん公表されず、あなたの秘密は保持されます。しかし、例外がありますし、何かのためにどうしても必要な情報は特定の誰かに開示しなければならないときもあります。いずれにしても、相談者のプライバシーは最大限に保護されますから、あなたがこれから通おうとしている、あるいは通っているカウンセリングルームのカウンセラーと、そのつど十分に話し合ってください。あなたにとって、よいカウンセラーと出会えますように。
参考資料
厚生労働省ウェブサイト・公認心理師法 (平成二十七年九月十六日) (法律第六十八号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=80ab4905&dataType=0&pageNo=1
個人情報保護委員会ウェブサイト・個人情報保護等FAQ
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/life/faq/